アレルギー性鼻炎とは
くしゃみは、そもそも身体の防御反応です。鼻から吸い込んだ物を体が「有害」と判断すると、くしゃみが出ます。体内から有害な物質を排出し、鼻水で鼻腔を洗い流して、鼻づまりを起こし、体外から物質が侵入しないようにするのです。この反応が過剰になり、本来身体を守るはずのくしゃみ、鼻水、鼻づまりが逆に日常生活に支障をきたすほど起こってしまうのが、アレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎の症状・原因
鼻づまり、鼻水、くしゃみが3大症状です。ダニ、ホコリ、カビ、ペットの毛などのハウスダストが、原因です(アレルゲン・抗原)です。
花粉症とは
季節性のアレルギー性鼻炎です。季節やエリアによって飛散するものは違いますがスギ、ヒノキ、イネ、ブタクサなどの花粉がアレルゲン(抗原)です。アレルギー性鼻炎と同様に、鼻づまり、鼻水、くしゃみなどの症状が出ます。花粉が飛散する前に、アレルゲン(抗原)を特定し、きちんと予防しましょう。
花粉症のアレルゲン(抗原)となる花粉の飛散時期※目安
1月~3月 | スギ花粉、ハンノキ |
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3月~6月 | ヒノキ、マツ、シラカバ、ヘラオオバコ、ケヤキ |
7月~10月 | ブタクサ、イネ、ヨモギ、ススキ |
アレルギー性鼻炎・花粉症の治療
保存的療法
薬物治療です。ただし、薬を使った治療は、眠気を伴う、集中力が低下するなどのデメリットがあるため(個人差はあります)、副作用が気になる方にはレーザー治療をご提案しております。
炭酸ガスレーザー治療
下甲介粘膜焼灼術(かびこうかいしょうしゃくじゅつ)とも呼ばれ、20年程前から採用されている治療法です。粘膜の反応を減少させ、症状を軽減します。粘膜下に存在するアレルギー関連の細胞数が減少するため、アレルギー症状が軽減されます。治療後、約8割の患者が「症状が治療前の半分以下になったと感じた」という統計結果もあります。
焼かれた粘膜は約3、4週間でかさぶたが付かなくなります。その頃には粘膜は瘢痕化しておりよりはれにくくなり、アレルゲン(抗原)が進入しにくくなります。花粉症にお悩みの方は、アレルゲン(抗原)を特定し、そのアレルゲン(抗原)となる花粉が飛散する前に、レーザー治療を行うのがおすすめです。
手術内容(外来処置)
20~30分ほど局所表面麻酔をかけて、その間に痛み止めの薬を染み込ませたガーゼを鼻の中に挿入します。手術は観察しながら、下甲介粘膜表面を奥までしっかりと焼灼していきます。実際に手術している時間は10分程度です。
手術後は、焼灼した部分が軽度のやけどを負った状態になります。手術後2〜3日間は鼻汁が出て、ときどき血が鼻水ににじむこともあります。最初の1週間くらいはゼラチン状のかさぶたができますが、2週目を過ぎる頃にはかさぶたが薄くなって、鼻どおりが良くなります。4週目には、粘膜がほとんど再生します。
痛みもわずかで、まれに鎮痛剤を求める方もまれにいらっしゃいますが、一度鎮痛剤を投与すれば、翌日以降も痛みが続くことは、ほぼありません。
手術費用
健康保険が適用されます。
約8,000円~10,000円
手術の効果
個人差がありますが、約8割の方が、手術前に比べてアレルギー症状が半分以下になったと実感しているという統計結果があります。効果も個人差がありますが、通常2~3年に1度施術するのが有効のようです。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法には、皮下免疫療法と舌下免疫療法の2つがあります。アレルゲン(抗原)がスギ花粉やダニの場合は、自宅で治療薬を服用できる舌下免疫療法がおすすめです。※12歳以上の方が対象
治療薬の服用について
1日1回、少量から服用開始し、医師の指示の下、毎回決められた量を服用します。少なくても1カ月に1度の通院が必要で、3年以上の服用をおすすめします。