くしゃみが止まらない! その原因と対策、治療をご紹介します。
くしゃみは疾病によって起こっている場合があります
日常生活で何気なく出てしまうくしゃみですが、風邪やアレルギー性鼻炎などの症状のひとつでもあります。くしゃみを繰り返せば、体力を消耗しますし、鼻や耳などにダメージが蓄積され、疾病を引き起こすこともあります。特に骨がもろくなっている高齢の方の場合、くしゃみの衝撃だけで肋骨骨折の恐れもあります。
止まらないくしゃみの原因
風邪
体内にウイルスが侵入しようとすると、異物に反射してくしゃみがでます。くしゃみが出ます。花粉症と区別がつきにくいのですが、発熱や喉の痛みがあるときは、風邪の可能性が高く、風邪が長引くと中耳炎を引き起こす場合があります。
アレルギー性鼻炎
くしゃみ、水鼻、鼻づまりが、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の3大症状です。風邪でもないのにくしゃみが続く場合は、アレルギー性鼻炎が疑われます。花粉症など決まった季節に起こる季節性のものと、年中症状が現れる通年性のものがあります。年のアレルギー性鼻炎の原因は、ハウスダストやダニ、ペットなど、季節性の花粉症の原因は春のスギやヒノキが有名ですが、他の季節でもアレルギーを起こす恐れがある植物の花粉が舞っています。
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)
寒暖差が激しい季節の変わり目などに、寒冷刺激でくしゃみなどのアレルギー反応が引き起こされる症状です。寒暖差が自律神経に作用して、くしゃみを引き起こします。
止まらないくしゃみの治療
風邪
部屋の空気を25度程度に暖め、身体を保温しましょう。鼻や喉の乾燥も大敵です。加湿器を利用するなどして、部屋の湿度を適正に保ちます。鼻の横をマッサージするなど、血行改善も効果的な場合があります。マスクも効果的です。ウイルスが付着した手で口や鼻に触れないよう注意しましょう。
アレルギー性鼻炎
まずは、アレルゲン(抗原とも呼ばれるアレルギーの原因物質)の特定と除去が大切です。アレルギー性鼻炎(花粉症)の原因は200種以上あり、通年性のものと季節性のものに分けられます。
通年性アレルギー性鼻炎(ハウスダストやダニなど)では、原因物質を除去することで症状が和らぎます。こまめに部屋を掃除し、ぬいぐるみなどの布製品を部屋に置かないようにしましょう。カーペットやソファーなども布製は避けたほうがいいでしょう。また、布団や布団カバーは定期的にしっかりと天日干しし、掃除機で吸引してダニの死骸やハウスダウストを取り除きます。動物がアレルゲン(抗原)の場合はペットを飼わないことが望ましいですが、それが難しい場合は、寝室には入れないようにするなど居住空間を分けましょう。
花粉が原因の場合は、外出時にマスクをしっかりと着用し、花粉の体内への侵入を防ぎます。帰宅後は、衣服に付いている花粉をしっかりと払い落としてから家へ入るようにしましょう。
治療は、内服薬や点鼻薬の処方、洗浄やネブライザーなどのほか、重症の場合は鼻腔粘膜焼灼術、粘膜の奥にある骨を削る粘膜下下鼻甲介骨切除術、アレルギーに関与する後鼻神経の凍結術などの外科的手術を行います。原因部分を切除できるため、根本的解決が期待できます。
アレルギー性鼻炎の予防としては、十分な睡眠、栄養バランスのよい食事、分煙・禁煙、ストレス発散、適度な運動など、生活習慣の改善が効果的です。
寒暖差アレルギー
花粉やウイルスを防ぐために着用することが多いマスクですが、寒暖差アレルギーによるくしゃみの予防にも一役買ってくれます。冷え性の方は、カーディガンやショールなど、着脱しやすくこまめに温度調節できる上着の携帯をおすすめします。アレルギー性鼻炎と同様に、外科的手術による症状のコントロールが可能です。
刺激物質
通常は一時的に見られる身体の反応ですので、心配はいりません。日常的に繰り返す場合は、アレルギー性鼻炎などの可能性があります。気になる方は、アレルギー検査をおすすめします。
モーニングアタック
朝起きた際に布団の中で指先を動かして、交感神経の働きを活発にしましょう。加湿器の使用、部屋の清掃や空気清浄器・加湿器の使用、マスクの装着など、アレルギー性鼻炎と同様の対策も効果があります。